剣道のルール上の体当たり
剣道のルールに体当たりについて直接表記されているものはありません。
しかし、この体当たりを正しく行わず間違った方法で悪用する人も中にはいます。
それは剣道をする以前に、人として学び直さなければなりません。
1.体当たりとは
ルールには表記されていませんが、体当たりというのが剣道にはあります。
この体当たり、正しい方法であれば自分の試合展開を有利に運ぶことができ、相手のペースを崩せるチャンスをつくれるものであります。
体当たりとは、打突後に相手に体をよせる動作であり、打った後の隙を作らないために行うものです。
ですからこの体当たりは、強くしっかりと相手に当たれる方が有利です。
強く相手にこられるとこちら側もそれを受け止めるのに精いっぱいで、技を狙うことができません。
ルールとして定められているわけではありませんが、実践的に考えると体当たりは必要です。
この体当たりを利用して相手を崩して引き技を狙ったりすることもできます。
逆にこの体当たりを逆手に取られて相手に利用される恐れもあり、剣道では体当たりによって勝負の分かれ道が生じたりします。
しかし、ルールに明記されていないのを利用して、体当たりを本来の目的でやらない人も出てきました。
それが、コートの隅っこのほうで相手が出そうなところを無理な体当たりをして相手を故意に押し出すやり方です。
本来の目的とは違った、相手をただコートから追い出すための押し出しをおこなう人が出てきて、体当たりを必要以上に連続して行ったりするので、それはルールとして「押し出し行為」として見なされるようになりました。
スポーツだともしかしたら許されることなのかもしれませんが、勝利至上主義ではない剣道において相手を敬う気持ちがない行為ということで、不当な体当たり「押し出し」は禁止行為となりました。
本来の残心を取るための体当たり、次の技を打つため、打たれないための体当たりを理解し正しい体当たりを上達させましょう。
2.まとめ
剣道における体当たりは、ルールに方法などが明記されているわけではありませんが、卑劣な行為として「押し出し」は禁止行為とされています。
体当たりを悪用するような行為は決してしないようにし、正しい体当たりを理解し上達させるようにしましょう。
正しい体当たりであれば、強ければ強いほど有利になるので、うまく体当たりを利用し、有効打突に繋がるように練習を重ねましょう。