剣道で重要な動体視力の鍛え方

眼にもとまらぬ高速で竹刀が打ち合わされる剣道。あれだけのスピードで動きながらも正確に打突部位を捉え、しかも審判もそれを見逃さずに判定を行う。

剣道をしている人はさぞ、動体視力が発達しているのだろうと思われる所以ですね。

もちろん、いわゆる動体視力は剣道をしていれば必須の身体能力として鍛えられていきます。

しかし肉眼の能力だけではない、剣道独特の視点の置き方と合わさってこそ、その力を発揮するのです。

剣道が上達するための動体視力の鍛え方と、独特の「目付け」とよばれる視点についてご紹介します。


1.動体視力を鍛えるには、「普段の稽古」が最適

いきなり逆説的なお話になるようですが、動体視力を鍛えるためには普段行っている剣道の練習こそが最適な方法なのです。

というのも、剣道は体捌きの速さと竹刀の速さ、そしてお互いに移動する速さとが相乗して、初心者のうちは肉眼では捉えられないほどのスピードに達します。

しかし「慣れ」こそが最大のトレーニングであるように、やがてそのような高速動作を捉えられるようになり、自身もそのようなスピードで動けるようになるのです。

したがって、剣道そのものの高速運動が動体視力を鍛えるにはもってこいの方法であり、必要に応じて自然に鍛えられていくものでもあるのです。

ただし、自分よりはるかに速く強い相手に頻繁に稽古をお願いして、そのスピードに追従する努力をするなどの工夫が必要です。





2.日常でできる動体視力の訓練

一方、道場を離れた日常の場でも動体視力を鍛えることは可能です。

例えば電車に乗っている時、通り過ぎる駅の駅名や広告に書かれている文字を瞬間的に読み取ったり、すれ違う車のナンバーを同じく読み取ったりなどといった工夫が挙げられます。

定められた練習時間を離れても、どのように自分で創意工夫をして鍛錬するかという課題に応える一つのヒントでもあり、自分なりの方法論を編み出して実施することが、人知れず上達するための地道な一歩となるのです。


3.一点を見つめるわけではない、「目付け」という技術

動体視力が剣道で重要なのは繰り返し述べてきた通りですが、実は剣道の速さは、相手の動きを「見てから」では捉えることができないほど凄まじいものなのです。

したがって、相手が動く瞬間に即座に反応できるよう、どこから打ってくるか分からない打突に十分警戒しながらも相手の全身を観察しておく必要があるのです。

そのような特殊な視点の置き方を「目付け」と呼んであおり、剣道では一点を凝視するのではなく、相手のすべてを視界に捉える「遠山の目付け」という観察眼を用います。

これは遠くの巨大な山をぼんやりと視野全体に写す方法と同じもので、これによって相手のわずかな変化も見逃さず、鍛えた動体視力との相乗効果でいち早く最適な対応を身体に命ずるのです。







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