剣道の上段の構えの特徴と効果的な技の出し方
剣道漫画「六三四の剣」の主人公夏木六三四(なつきむさし)が得意としていた上段の構え。
私が生まれる前に連載していた漫画でしたが、当時小学生の時に古本屋で見つけて読んだらハマってしまい、早く高校生になって上段の構えをして六三四みたいな片手面をしたいと思っていました。
今思うと作者は一振りに命をかける構えは剣道という武道を象徴しているというメッセージを込めていたのかもしれません。
結局自分のタイプにマッチせず、高校生の時は中段の構えを使い練習や遊び程度に上段の構えをする程度でした。(私自身は返し技や出ばな技などの心理戦の上のカウンター技のほうが得意だった)
ここで、よく間違いやすい認識を正したいと思います。一般的な認識として中段の構えこそ剣道の基本形であり、上段の構えを自身の戦闘スタイルとするならばこの中段の構えでの基本動作を身に着けていないといけません。
よく、「背が高い」「リーチが長い」という理由で上段の構えを強制する指導者を見ますが、本質的な所から言うと、剣道の教えからは反していると思います。
まずは中段から。そして自分のスタイルを指導者又は先輩や仲間と話合ってから、上段をやるか否かを決めましょう。
そして、そこから上段の構えを上達するための練習メニューを考え実践していくことが大事です。
1.「上段の構え=火の構え」
上段の構えは、別名「火の構え」と称されることから攻める気迫や姿勢を表した構えと言われています。
また、そのくらい攻めに特化しているため小手や胴がガラ空き状態ですので、諸刃の剣・ハイリスクハイリターンであるということも認識しておかなくてはなりません。
1.「おススメは左上段」
上段の構えには「左上段」と「右上段」の2種類が存在します。
しかし、剣道界では「左上段」が主流です。
これは振り上げたままの状態から遠い間合いからでも打ちこめる「片手面」が武器になるからです。
「右上段」はそもそもの持ち手が逆になるので、いろいろクリアしないといけないハードルがあるため本回では割愛します。
2.「片手面、小手」
上段と言えば「片手面」「片手小手」によるリーチの長さを活かした遠い間合いからの打突技です。
当たり前の話ですが、右手を添えないから左手の腕の分伸びるため、実際立ち会っている相手からすると「こんな間合いで届くの?」というくらい伸びてきます。
また、近い間合いでも打てる訳ですので広域にわたって攻撃の間合いが増えるため効果的です。
上達するためのコツとしては、中段の構えと違い上段の構えはロケット発射寸前という状態ですので、右手は照準で左手は燃料というイメージをもちましょう。
そして、技を出す瞬間に右手で方向を決めて左手は伸びに対する瞬間的な爆発力を出すことで上段の構えの大半はマスターしたといえるでしょう。(スピードと正確さは反復練習しだい)