剣道の下段の構えの特徴と効果的な技の出し方
剣道の構えで「下段の構え」がありますが、剣道初心者でも分かる話ですが「五法の構え」の中でこの構えを取るのは現代剣道ではほとんどありません。
どちらかというと中段の構えから下段の構えをとって、相手の出だしを誘いそれに対して小手を狙うようなカウンター技のイメージの方が強いです。
しかし実戦では見られないのは、よほど早い手の返しと振りかぶりスピードが無いとカウンターを狙えないからだと推測されます。
上段VS下段はよほどのことがない限り下段が振りの距離分負けてしまいます。
しかし、そんな一般論に反し実際に効果的に使える「下段の構え」について理解すると共にどうすれば実戦で活用できるかを考えていきましょう。
そうすることで上達への道筋が見えてくるはずです!
1.「後の先(ごのせん)」
「下段の構え」の攻防の仕方は、相手が打ち出るところを下から切り上げて攻める「後の先」と呼ばれる攻め方が効果的です。
しかし、この「後の先」ですが下段の構えを取ることにより、ワザと隙を作り相手の出ばなを狙うのが本質的な所なので下段の構えをしたからと言って有利になるわけではありません。
逆に、竹刀が中段より下段にある分振りの距離や相打ち時の状況は圧倒的に不利です。よって上級者向きと言えると思います。
1.「あくまで守りの型である」
ここで、「下段の構え」を上達するためにはその構え本来の意味を理解しなければなりません。
冒頭で述べた通り、現代剣道ではほとんど構えないのはなぜか?それは中段や上段に比べ打突技に転じるのがワンテンポ遅く(竹刀の振りかぶり距離が長いため)よほどの振りスピードや切替しのための手首の強さに自信が無い限りは不利になること間違いないからです。
また、薙刀のように「脛」という有効打があれば良いのですが、剣道においては下半身への打突はご法度になっており、真剣の時はある意味効果的な構えであったかもしれませんが、剣道ではあまりメリットを感じません。
あくまで守りの型として「下段の構え」があることを理解してください。
つまり、一本とろうとすると「下段の構え」は不利な所ばっかりですが、守備固めを意識した時においては最強です。
なぜなら、「小手」「胴」は有効打となるような隙がありませんし、ガラ空きに見える「面」も相手からの技の攻め方が想定しやすく、避けるのもそえほど難しくは無いと思います。
あまりおススメはしませんが、一本先取して残り時間数秒でひたすら守りきりたい場合は「下段の構え」をとって守備固めに入る戦術もアリかもしれません。