上段の構えへの攻め方 | 剣道が上達する練習メニュー
剣道には数種類の構えがありますが、中段の構えの次に多く見受けられる構えが「上段の構え」です。
この上段の構えは、中段とは全く違う構え方なので、当然攻め方も上段の構えに応じた攻め方にしなければなりません。
1.上段の構えとは
剣道の上段の構えとは、「火の構え」「天の構え」といわれるように、すべてを焼き尽くすような、天のように上から圧するような攻撃の構えであります。
中段の構えから頭上に振りかぶった上で、構えの足の出し方により、諸手右上段・諸手左上段また片手上段(右・左)などの種類があります。
剣先の角度は45度です。
2.上段の構えへの攻め方
剣道の上段の構えへの攻め方を上達させるにあたり、上段の構えの特徴を知る必要があります。
上段は元々頭上で振りかぶっている分、通常剣道の中段の構えから振りかぶって振り下ろすという、振りかぶりの過程が必要ないため、竹刀が打突部までいくのに中段より時間がかかりません。
また振りかぶることがないので、打とうとしているということが相手に読まれにくいです。
打突する際は基本的に左手で振り下ろすので、中段と比べるとより遠くに打突することができます。
しかし上段の構えは有利なことばかりではありません。
上段の構えは、面だけしか防げていないということです。
小手も両方見せいているような形で、突き、胴もがら空きです。
したがって、相手が小手やら胴やら突きを攻めてきた時は、その構えを必ず崩してよけるか応じなければいけません。
そうなると上段は、上段の構えの状態から打ち込んでいくのが一番構えの特徴を活かせるので有利です。
逆に、上段に対して攻めようと考えいいるこちら側からすると、相手にそのような有利な状況を作らせないということが上段に対して有利に展開できる秘訣です。
まず、上段の構えの相手に対しては、足を止めないことです。
足を止めるということは、上段の相手にとってはねらいを定めることができる状況です。
止まっている相手に上から竹刀を振り下ろすだけならば当然、上段の者が有利です。
ですから、まず足を止めないことです。
基本的には右に回るように動きます。
その際こちら側も、ただ右に動くのではなく、右斜めに出る感じで徐々に相手との距離をつめるようにし、こちら側のチャンスをうかがいながらさりげなく間合いに入っていきます。
相手は自分の方が遠くから打突できるため、なかなかこちら側に間合いを詰めさせてくれませんから、動きの中で少しずつ入っていきます。
しかしむやみに入りすぎると、入った瞬間に打たれてしまうので、徐々に入っていくことを注意しましょう。
また、上段の者にとって一番怖い技はよく突きだと聞きます。
ですから時々、突きを攻めるようなしぐさを加えると必ず相手の竹刀は下に降りてきます。
一番怖いというのは、こちら側がねらうと一番有利な技であるということです。
3.まとめ
上段の構えへに対する攻め方の上達の基本は足を止めないことです。
竹刀の剣先は相手の右小手につけても左小手につけてもどちらでもやり易いほうでいいですが、こちら側もきたら何か返すぞ、突きをねらっているぞというように、上段に対してはより強い気持ちで間合いの攻防を行うことが大切です。
そうすることで、相手も単に振り下ろすのが怖くなるのです。