素振りで鍛えられる筋肉とは? 剣道が上達する練習メニュー
剣道は竹刀を操作して行う競技であるため、その竹刀操作を上達させる方法の一つとして、“素振り”というものがあります。
素振りは竹刀を上下や斜め上下に振り、竹刀の操作法を訓練する方法で、その“素振り”の方法によって鍛えられる筋肉はさまざまであり、目的に応じた素振りを行うことが大切です。
1.なぜ素振りが重要なのか
素振りは独りで行う剣道の稽古法として最も一般的であります。
時間と場所を選ばずに行うことができるため、剣道を志す者にとっては不可欠な稽古法であり、素振りも竹刀操作を上達させるための大切な手段であります。
単独でできる稽古法の一つですが、相手の動きを想定しながら行えばより効果的です。
2.目的に応じた素振り
素振りの種類は様々で目的に応じた素振りを行うことで、期待される効果や鍛えられる筋肉も変わってきます。
1.上下振り
上下振りは中段の構えより両手の手の内を変えないようにして竹刀を大きく振りかぶり、そのまま止めずに両腕を伸ばして剣先は高さぐらいまで振り下ろします。
この上下振りで鍛えられる筋肉は、大きく振りかぶることで肩関節が鍛えられるといえます。
肩関節を鍛えることで肩関節の柔軟性が高まり、肩関節の可動域を広げる効果が期待できます。
2.斜め振り
斜め振りは上下振りと同じ要領で、中断の構えから大きく真っ直ぐ振りかぶり、振り下ろしは右(左)斜め45度の角度で振り下ろします。
斜め振りで鍛えられる筋肉は、斜めに振り下ろすということから手首が鍛えられます。
手首を鍛えることで、打突に冴えを出すことができるようになり、技のバリエーションも増えていきます。
3.まとめ
素振りの種類はこれだけに留まりませんが、大切なのは素振りの目的を正しく理解し、効果を認識しておくということです。
目的と効果の理解が不十分であれば、効果を半減させるばかりか、打突操作における悪癖をつくることにつながる恐れもあります。
素振りは、初心者から高段者まで防具を着具する前に必ず行う大切な基本稽古です。
そのため素振りの質が上がれば、同時に打突の質が上がり、総合的にその人の剣道の質が上がるということに繋がります。
素振りによって鍛えられる筋肉や、期待される効果を理解するとともに単にそれだけを意識するのではなく、素振りを通して今の自分のフォームを確認するなど吟味を重ねながら、打突動作の基礎を作り上げるための稽古としていきたいものです。