残心のある剣道とは?
稽古での打突後や剣道の試合で、相手とのせめぎ合いから打ち出た時などに、応援している人などからの掛け声で耳にする「残心!」という言葉の残心は、何を指した意味なのでしょうか?
剣道の有効打突も、この残心がなければ一本にもならず、何度も何度も打ち出ても一本として認めてもらえません。
1.残心の考え方
残心とは、打突動作後、油断せず次の動きに対応出来る身構え、心構えを言いい、全力を尽くして打ちに出た後、自然と油断しない心のことを言います。
剣道では、打突が上手くいったとしても、残心ある堂々とした心構えでの打突動作がなければ、剣道の試合どころか、日ごろの稽古すら有効打突として認めてもらえません。
残心は、剣道以外の武道でも似た意味合いで使われていて、残心を示し次に備える姿勢を表し相手に隙を見せない堂々とした心構えが必要なのです。
2.残心ある有効打突とは
有効打突とは、充実した気勢、適正な姿勢を持って竹刀の打突部で打突部位を
刃筋正しく打突し残心あるものとする。
(剣道審判規則第12条)
有効打突を解釈してみると、正しい構えからブレのない姿勢(充実した気勢、適正な姿勢)竹刀の打突部は、剣先から中結までの間(打突部)と、打突部位は、面・小手・胴・突き(打突部位)の打突部を、正しい理にかなった打突の動きで(刃筋正しく竹刀の弦の裏)打突し、しっかり打ちきり次の動きに対応出来る姿勢(残心)で打突することを言っています。
全てを一致して剣道の有効打突となるのです。
忘れがちなとこは、声を堂々と大きくはっきりと出すことも大事です。
よく声を出すのを恥ずかしがって小さな声になりがちな人もいますが、剣道では相手を「気・剣・体」「心気力」「止心」「平常心」「不動心」など「気」や「心」を深い意味をもつ精神も必要です。
堂々たる気位で、声を出すことも大事です。
技術のみ修得するのでなく、心も鍛え、声も出すことも、練習メニューとして忘れることなく行うことが剣道の精神練習になります。
残心の練習メニューは、剣道の練習だけでなく普段の生活でも何事にも抜かりなく仕事をしたり勉強をしたり次へと繋がる行動を心がけることで剣道での残心も意味を持って実践できるようになります。
そして剣道での残心は、しっかりと自身の有効打突を打ち込み、相手に打ち返してくる気持ちをなくさせるようにし、気迫をもって打ちきる自信ある残心を示しましょう。