剣道の足さばきが上達する練習メニュー
剣道を始めると、最初に教わる動作として「足さばき」の練習を行います。
独特の「送り足」や「開き足」、「踏み込み足」等々、これらの足さばきが剣道の重要な基本となるからです。
そんな剣道の命、足さばきが上達する練習メニューについてお知らせします。
1.まずは基本の「送り足」を見直そう
普段の歩行法である「歩み足」と異なり、剣道では主に右足を進め、それを追い越さないように左足を引き付ける「送り足」で移動することになります。
つまり中段の構えの姿勢を崩さずに戦うための歩法であり、剣道の素早い動きを支えるのはこの足さばきであると言えるでしょう。
ところが普段の練習では高速で激しく動作することが多いため、ついつい送り足の基本が崩れてしまいやすくなります。
そこで改めて、自分の送り足が正確にできているかを見直しましょう。
知らず知らずに良くない癖がついてしまうため、頻繁に基本に立ち返り自身をチェックすることが上達への確実な一歩となるのです。
2.八方向の足さばきの練習
剣道の足さばきは「前・後ろ・右・左・斜め右前・斜め左後ろ・斜め左前・斜め右後ろ」の八方向への移動が基本となります。
この動作をしながらも姿勢を崩さず、素早く鋭く行えるように繰り返し練習しましょう。
順番通りに繰り返すだけでは惰性になりやすく、効果も薄くなるため、慣れてきたら上記の順に「1・2・3・4・5・6・7・8」と番号を付け、第三者にランダムに号令をかけてもらってその指示通りに足さばきを行うという方法もあります。
咄嗟の判断が求められる剣道においては、脳内の指令と身体の反応速度を鋭敏にする必要があるため有効な練習法となります。
3.高速移動の前進後退
剣道では鋭く踏み込んで打ち込み、そのまま相手の側面をすり抜ける、あるいは「引き技」のように後退しながら打ち込み、大きく間合いをとるといった送り足の方法が多用されます。
これは迅速に相手との距離をとることで反撃されるリスクを回避し、逆にこちらは次の攻撃態勢を速やかに整えるという戦法に由来しています。
したがって、「前後への高速移動」は剣道上達の要点のひとつであると言えます。
そこで実践したいのが「全速力で行う前進後退の送り足」の練習です。体育館や道場など、ある程度の距離をとれる場所で全速力の送り足で前進します。
端から端までたどり着いたら、今度は同じく後退の送り足を全速力で行います。
いわば剣道の足さばきによる「走り込み」とも呼べる練習法ですが、これによって動作のスピードアップを図り、長期戦にも集中できるスタミナを養成します。
もちろん、この時にも決して姿勢を崩したり左足が右足を追い越したりしないよう、基本動作を順守することが大切です。
苦しい時ほど基本に忠実な動作を心がけることが、上達への重要な練習となるのです。