ウェイトトレーニングで剣道が強くなるって本当?
あらゆるスポーツや格闘技では、筋力をアップさせて身体能力を高めるべく、ウェイトトレーニングが練習メニューに組み込まれています。
筋力の増強はパワーとスピードを向上させ、あらゆる競技に有利な肉体をもたらします。
剣道においてもそれは例外ではなく、古来より重いものを素振りに用いたりして筋力をアップし、勝負においてより速く、力強い太刀捌きや体捌きを可能とするよう努めてきました。
ここでは、剣道を上達させるのに有効なウェイトトレーニングの方法についてご紹介します。
1.伝統的なウェイトトレーニング、「素振り棒」を使おう
素早く強力な太刀筋を身に付け、しかも長時間の試合にも消耗せずに耐えられるよう、古来から通常使用する竹刀よりもはるかに重い「素振り棒」を用いた鍛錬がなされてきました。
単純に筋力を強化してパワーとスピードを手に入れることはもちろんですが、常時重いもので稽古をすることで、通常の竹刀をもった時にそれがとても軽いものに感じられ、太刀捌きがより軽やかになるという効果も知られています。
一方で、剣道のウェイトトレーニングでむやみに負荷をかければよいというものではなく、力強くも瞬発力のある、しなやかな筋肉を身に付けることを主眼としています。
したがって、ウェイトリフティングやボディビルの選手のような筋肉ではなく、例えばボクサーや短距離走のスプリンターなどに求められるような運動能力を目指します。
また、素振り棒を用いた鍛錬では、筋力の増強のみが目的ではなく、それによって無駄のない合理的な太刀筋と、強靭な手の内をつくることが狙いとなっています。
剣道にはどのような性質の筋力が必要なのか、それを考えながらウェイトトレーニングを行いましょう。
2.足首にウェイトを装着して足さばきの稽古を
剣道が上達するためのウェイトトレーニングは、上半身だけではありません。
素早い移動を可能とする足さばきの稽古にも、ウェイトを採り入れた練習をしたいものです。
ここでは足首に巻きつけて装着するタイプのウェイトを使用します。
重さは色々ありますが、むやみに重いものを用いる必要はありません。
いつもの足さばきがしにくい、というほどのリミッターとして機能してくれればよいのです。
ウェイトを装着して足さばきの練習を行うと、自然と出足が鈍くなり、動きが制限されるような錯覚に陥ります。
しかし、その負荷に徐々に慣れ、やがてウェイトが気にならないほどになった時にそれを外して足さばきを行うと、見違えるほど動きが俊敏になっていることに気付くはずです。
剣道が上達するためのウェイトトレーニングにはこのように、動きに制限をかけて鍛えるタイプのものが有効です。