素振りで竹刀の方向が曲がる | 剣道を上達させる練習メニュー
剣道を上達させるうえで素振りの重要性が高いことから、素振りを数多くすることは非常に大切でいいことなのですが、同じ本数をするならばより正確でより綺麗な素振りをするともっと上達が期待できると思います。
1.素振りは真っ直ぐ
はじめに剣道をする上で真っ直ぐ振ることの重要性について少し触れたいと思います。
なぜ真っ直ぐ振りかぶり、振り下ろさないといけないのか、ということについてですが、剣道は竹刀競技ではありますが、古来の剣術の刀による斬り合いを基盤として有効打突が考えられています。
有効打突の条件に、「竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し」という表現が含まれています。
「刃筋正しく」とは竹刀の打突方向と刃部の向きが同一方向である場合とされています。
ですから、竹刀を曲がった状態で振ってしまうと、刃筋が正しくありません。
つまりそれは有効打突にならないということなので、有効打突になるような素振りをするために真っ直ぐと刃筋正しい素振りをすることが大切とされているのです。
しかし初心者の方で最も多い素振りの典型的な癖は、竹刀を真っ直ぐに振りかぶれていない、竹刀を振りかぶった状態が曲がるということです。
振り上げの時に頭上でだいたい右斜めに振りかぶってしまっており、そのため竹刀が曲がるということになっている人が多いです。
この原因として考えられるのは、右手で振り上げてしまっているということです。
剣道は左手で竹刀を握り、左手で振ります。
右手は添えるだけで、打突に冴えを出すときや、竹刀をコントローするときに非常に重要な役割を果たします。
右手人さし指が鍔に触れる程度のところで両手首をわずかに内側に絞るように上から握ります。
左右の手の内(握り具合)は、小指、薬指、中指の順に締め、人さし指、親指は軽く添えるようにします。
これらの握りを忠実に守りながら、素振りを行うと竹刀を振りかぶった際に竹刀が曲がるといったことは起き得ないのですが、初心者の方はどうしても右手に力が入ってしまい、右手で竹刀を引き上げるように振りかぶってしまいます。
これは正しい両手のバランスで何度も振らないと感覚で覚えるとこまで達せません。
左手の力だけで振りかぶるつもりで振り上げ、振り下ろして正面を空間打突する際に右手を絞ります。
しかし本当に左手の力のみで振りかぶるのかというとそうではありません。
それも逆にぶれてしまします。
左手メインで、左手を軸に振りかぶります。
そのため、おでこの上にくるのは右手の拳ではなく、左手の拳になります。
この正しい素振りを身に付けるためのポイントは、剣道のあらゆる場面で活かせることなのですが、「鏡を見ながら」素振りを行うということです。
誰かに見てもらいながらというのももちろんいいですが、それだと自分の目からは何も情報が入ってこないため、体の感覚のみで覚えることになりますね。
それだと時間も、誰か人も必要になってしまします。
そこで道場の鏡でも、家の鏡でも、竹刀を振れる場所で鏡を見ながら自分の今の振りかぶりを見ながら素振りをするのです。
それで今の自分の振りかぶりを意識しながら素振りを行うと必ず改善されます。
その際に構えや姿勢なども一緒にチェックするとなお良いですね。
2.まとめ
剣道では素振りを真っ直ぐにしなければならい理由を理解した上で、鏡を見ながら刃筋正しく素振りを行いましょう。
やればやるだけ上達するはずです。