剣道が上達する掛かり稽古のやり方と上手な取り組み方
剣道で一番きつい稽古は何か?10人に聞いて9人は「掛かり稽古」と答えるのではないでしょうか?
大体20~30秒くらいの間中、元立ちに向かって素早く技を出し続ける練習内容となっており、とにかく打ち込むことを目的としています。
相手の出方は関係なく、自ら間合いを詰めて多少遠かろうと近かろうと休まず技を出し続けるため、かなりの体力を消耗します。
しかし、疲れた時こそ正確な姿勢と的確な打突を打つことで余計な力が抜けます。
人間は疲れると一番楽な打ち方をしようと余分な力が抜け、竹刀も最短の軌道を描くようになってきます。
その極限の中で技を繰り返し打つことで、本来の打ち方や姿勢が身についてくるのです。
もちろん、体力もついてくるので一石二鳥ですが、注意しないと間違った練習になる可能性があります。
では剣道の掛かり稽古で注意して頂きたいポイントを説明していきます。
1.「どんなにきつくても基本を忘れない」
20~30秒間の間、へたしたら1分くらい技をひたすら出す稽古ですので、5本目以降は気が遠くなるくらいキツクなってきます。
前頭で、余計な力が抜けて正しいフォームになってくると言いましたが、手を抜いて基本を無視してはNGです。
あくまで、意識は基本に忠実な打突技をイメージしてください。
そのイメージに対して身体が付いていかないというのは、単純な疲れからくるものですが、それは体力的なものもあるので多少はOKです。
しかし、手を抜いて楽な打ち方をしてしまうと、振りかぶりが中途半端だったり、打突後の残心や送り足が不十分だったりします。
そこの心構え、意識の持ち方で上達するか否かが作用されますので注意してください。
また、あまり10本も20本も続けてやると、体力の限界を超えて倒れかねますので、10本を限度にしましょう。
特に身体が成長期途中である中学生までは10本までをある程度の閾値としてください。
1.「元立ちも工夫が必要」
掛かり稽古の時の元立ちの役割も剣道が上達するために重要なポイントになってきます。
打ち込み稽古と違い、掛かり稽古は隙をわざと見せずに、あえて構えを微動だにせずに打ち込ませることを意識しておきましょう。
掛かる方も隙が無い元立ちに対して、打突技を繰り出しながら考えます。
そうした激しい稽古の中で考える暇もないような練習をするより、瞬間的にどう攻めるかを考えさせて練習することで、実際の試合の時の瞬間的な判断が身に付くようになります。
また、元立ちも休みなく攻めてくる相手を想定して、そういう相手と対峙した場合の攻略方法を練習を通じて対策を考えるため、お互いに効果的な練習になると考えます。