簡単そうで意味深い剣道の一本打ちの練習方法
一本打ちと聞けば、その名から技を一本だけ打つ意味を言っているのかと思いがちですが、剣道の一本打ちは、基本打ちでの足さばき、体さばき、心構えなどいろんな意味合いからの一本打ちを意味しています。
では、一本打ちとは何なのでしょうか?
1.仕掛けることから始まる一本打ち
一本打ちは、正しい構えから相手との間合いをしっかりつめながら攻め、相手の剣の変化を捉えて面・小手・胴・突きの打突部を打突することを意味しています。
相手を攻めるのは、その気迫にたえられず動き出す隙を狙って打ち出ます。
剣道の攻めは、竹刀を使い打ちあうだけの攻めでなく、ここで言う剣道の攻めとは、精神の気拍などを表しています。
2.一本打ちの技の練習方法
竹刀での一本打ち練習も大切ですが、木刀での一本打ちも練習してみましょう。
木刀を使う利点は、気勢を出しやすく気持ちが入るので木刀を使った稽古も練習メニューに入れて下さい。
「木刀による剣道基本技稽古法」という木刀の形があります。
練習メニューは、木刀による剣道基本技稽古法の基本一本目「一本打ちの技(正面・小手・胴・突き)」を練習して下ださい。
木刀による剣道基本技稽古法は、剣道6級審査から木刀の形で3本目まで行う中の一本目です。
これは、元立ち(受ける側)掛かり手(打つ側)で分かれ行います。
○木刀による剣道技術技稽古法、一本目(正面・小手・胴・突き)
互いに座礼より九歩の間合いから立礼、右足より歩み足で三歩前にて蹲踞しながら帯刀後、一足一刀の間合い。
●正面
(元立ち)剣先をやや右下へ開き面をあける(掛かり手)右足を一歩踏み出しながら、大きく振りかぶり「面」と掛け声で正面を打つ。
(掛かり手)右足より送り足で一歩後退し残心(掛かり手)一歩後退し一足一刀の間合いで構える。(元立ち)構えなおす。
●小手
(元立ち)剣先をやや右上に上げ小手をあける(掛かり手)右足一歩踏み大きく振りかぶり「小手」と掛け声で右小手を打つ。
(掛かり手)左足より送り足で一歩後退し残心(掛かり手)一歩後退し、一足一刀の間合いで構える(元立ち)構えなおす。
●胴
(元立ち)手元を上に振りかぶり胴あける(掛かり手)右足一歩踏み出し大きく振りかぶり「胴」の掛け声で相手の右胴を打つ。
(掛かり手)左足を送り足で一歩後退し残心(掛かり手)一歩後退し、一足一刀の間合いで構える(元立ち)構えなおす。
●突き
(元立ち)剣先を右下に下げ一歩後退して突きをあける(掛かり手)右足一歩踏み出し「ツキ」の掛け声で相手の咽喉部を突く
(掛かり手)左足送り足で一歩後退し残心(掛かり手)一歩後退し、一足一刀の間合いで構える(元立ち)構えなおす。
双方、構えを解き(右下相手の膝下くらいに木刀を下す)歩み足で五歩後退し立ち合い間合いで中段構え。
木刀による剣道基本技稽古法の一本打ちを稽古前に何本か繰り返し練習しましょう。
木刀を使うことにより気の入れ方が練習できるので自然と一本打ちの姿勢が出来てくるようになります。