抜き胴を打たれないための対策法 | 剣道が上達する練習メニュー
剣道には何十種類もの応じ技・仕掛け技が存在します。
その中に、試合でも使われる頻度がわりと高い方である「抜き胴」というのがあります。
この抜き胴を上達させ打突部をきちんと打てるようになると非常に有効な技です。
しかしそれ故に、打たれる側としては打たれないようにする必要があります。
1.抜き胴とは
抜き胴とは、抜き技の一つで応じ技に属します。
応じ技とは対人的技能であり、上達させればさせるほど1本に繋がり非常に有効です。
この対人的技能とは、相手と自分の相対動作における技術上の能力のことです。
その中で「応じていく技(応じ技)」は相互の攻め合いからの相手の打突に対して引き込み、応じて打突する技術です。
技の種類としては、「抜き技」「すり上げ技」「返し技」「打ち落とし技」などがあります。
抜き技とは相手の打突を足さばきによって前・後・左・右に体をかわし、相手が空を打って体勢が崩れたところを瞬時に打つ技です。
また抜き胴とは基本的に面抜き胴のことを指します。
面抜き胴は、
1.相中段の構えで中心を攻めつつ、相手の動きを瞬間的に認知します。
2.相手の面打ちに対してタイミングを合わせて素早く振り上げながら、体を右斜め前にさばいて面打ちをかわします。
3.かわすと同時に相手の左わき下に飛び込む要領ですれ違いざまに右胴を打ち、そのまま抜けて残心を示します。
このような要領で行う技です。
2.抜き胴を打たれないための対策
基本的に応じ技は、相手がきたところを応じるものです。
したがって、自分が相手に打ち込んでいったのに対して、相手に応じられるわけです。
つまり、剣道は応じ技だけでは成り立たないので、どちらかが必ず自発的に打っていくわけで、応じ技の発生を完全に防ぐことは不可能ですね。
しかし、応じられないために、自分が打ち込んでいく前の駆け引きや、攻めに工夫をこらし、相手に自分が今、何を打とうとしているのか見破られないようにすることです。
また自ら打った後でも気を張り詰めていたら、瞬時によけることが可能な場合もありますが、抜き胴に関しては、抜かれた後だと相手がミスをしない限り、よけたりするのは難しいです。
そうなると抜き胴を打たれないための対策法は、相手に自分が面を打とうとしていることを見破られないようにすることです。
面を打つ前の駆け引きで、小手ばかり見て、小手をよく攻めて、面を全く狙っていないかのように仕掛けます。
すると相手は、小手に意識がいきますね。
こちら側が動くたびに、小手なのではないかと思い自然と小手をうけなければいけないという意識が働くと思います。
そのような展開から突然、捨て身の面を打ってこられたら、相手は驚くでしょう。
3.まとめ
剣道をしている者として、自ら意を決して打った技を相手に簡単に応じられてしまって1本を打たれてしまうのは、非常に悔しいものです。
ですから、打つまでの過程がとても重要で、絶対にこの技で決めるんだという強い意志を持って相手も応じることができないくらいの圧倒させるような技を打ち込んでいくことが大切です。