剣道の突きのかわし方
「剣道の突きに対する応じ技」の記事でも触れたように、剣道の突きをよけることは非常に難しいです。
相手も強い気持ちで突いてきている分、中途半端な打突はしてきません。
かわし方といっても一概にこれというのはありませんが、まず突かれないようにすることから気を付けていきたいものです。
1.打突の好機を理解する
突きのかわし方の前に、まず突きを打たれないようにしましょう。
剣道において相手が打ち込んでくるという事は、必ずそこに隙があったり、相手が打突の好機だと判断したという事です。
何も考えずに打ってくるようなことはありません。
ましてや突きとなると、的も小さく命中率が下がるため、勇樹のいる技です。
この突きを相手が打ってくるという事は、必ず動機があります。
剣道はこの動機の連続です。
小手を打とう、面を打とう、というのにはなにかそう思わせる隙が相手にあるという事です。
この打突するべき機会のことを「打突の好機」と剣道ではいいます。
この「打突の好機」を理解することが突きだけではなく、あらゆる技に対して打たれないことの上達に繋がります。
打突の好機とは大きく8つあります。
1つ目は「出頭」です。
相手が自分を攻めようとするところ、出ようとする起こり頭をすかさず打突します。
2つ目は「退くところ」です。
攻めたてられて技がつきて退いたり、攻められて、その位置にいることを不利と思って、備えなしに後退するところや、横に開くときに打突します。
3つ目は「技の尽きたところ」です。
相手の技が打突して不成功の時や、次から次へと打突し、最後の技が終わった瞬間に打突します。
4つ目は「居ついたところ」です。
心身の活動がにぶり、瞬間的に一時心身の活動が停止する状態を打突します。
5つ目は「受け止めたところ」です。
相手がこちらの技を受け止めた時は、「受け止めた」という安心感が生まれます。
その受け止めたところに心が居ついて止まり、隙となります。
6つ目は「心の乱れたところ」です。
驚・懼・疑・惑の心が生じたり、うまく打突しよう、また打突されまいなど、無心ではなく、心に邪念が生じたところを打突します。
7つ目は「実を失って虚となったところ」です。
心の動揺によって、充実していた気力が抜け、心身が空虚になったところを打突します。
8つ目は「相手が息を吸うところ」です。
呼吸で息を吸うときは何にもできない状態になるので、相手の呼吸を察知し、息を吸うところを打突します。
以上の8つが打突の好機です。
これらを打たれる立場に置き換えて考えると、そこが相手が打ちたくなるところということです。
まずはこの打突の機会を頭に入れましょう。
2.突きのかわし方
剣道における突きのかわし方を上達させるためには、まず試合や稽古の中で、足が止まってしまうことをなくすことが基本だと思います。
停止したら突きはあたりやすいです。
常に足を止めないことを意識します。
そうしたら、足が止まっていなかったら、相手の突きに対しても反応しやすくなります。
まず、竹刀でかわす方法があります。
すり上げたり、打ち落としたりなどすると、次の技にも繋げやすくなります。
次に足でかわす方法です。
左右に足を開いたり、後ろにさがって相手の打突を空で切らせるようにします。
できれば竹刀だけ、足だけではなく、両方同時でかわす、つまり体全体でかわすのが理想です。
3.まとめ
技をかわすという事は、まず相手がどうしたら打ってくるかということを理解しておくという事が大切です。
それが打たれないことに繋がります。
そして突きのかわし方は、足を止めないことを基本とし、体全体でさばけるようになるのが理想です。